2017/03/28
2枚目
あちこちでいろんな花が咲き始めて、いよいよ春かなと思わせる雰囲気を感じ取れてなんとなく高揚する。なんつってたら昨日は真冬の寒さで、関東でも雪が降ったりして驚いた。
今年の東京は花見のタイミングが難しそう。
さて、前回に引き続き先日のグループ展「Black & White part2」で展示した作品を紹介致します。

川上弘美さんの著作の短編「クリスマス」を読んで絵にしました。
話のすじとしては
主人公「わたし」が、友人から青空市で購入したという壺を預かる。ふとした時に壺をこすったところ、煙と共に「コスミスミコ」と名乗る女の子があらわれて。。。
というとおとぎ話のようですが、舞台は現代社会のようです。
熊とピクニックに行くデビュー作「神様」が表題作の短編集に収録されています。
河童や人魚が出てくる他の収録作に比べると、わりと普通な内容に感じました。登場人物が全員いちおう人間だからでしょうか。しかし馴染みすぎて、逆に変な感じもします。
このころの川上弘美さんの作品の自分の印象は、静かに狂っているという感じで、得体の知れないものが登場するんですが、それが当たり前のように、話が淡々と展開していくのがそう感じるんだと思います。
その得体の知れないものとの関係性が、どうなっていくのかが読みどころなのかなと。
もっと言えば、普段の暮らしにおいて、自分以外の生き物は皆何を考えているかわからないとも言えるので、作中に登場する得体の知れなもの達はその比喩なのかもと考えることもできる気がします。
自分以外、他者とのつながりを書いているのかな、と愚考したりしてます。
誤読かもしれませんが。
今回描いた絵では、「日常に混じる違和感」を意識して描いてみました。