2016/12/13
マルプデザインさんについて その1
8年くらい前、と数えて時間の流れに少し恐怖する感じがしたけどそのぐらい前。イラストレーション青山塾に2年間通って修了、通うのをよした。あとは自分でなんとかしよう、という気持ちで。
よしてわかったのだが、自由に描くというのは難しいなぁ、大変だなぁということ。
塾に通っているときは、先生がなんらかの方向性を示してくれていたし指導もしてくれたので、悩みながらもあまり迷わずに描けていた。
それがなくなると、自分は結構早めに迷いだした。
どこにいってもいいんだけど、行った先に何があるのかわからないという状況。
そういう状況でこそ真価を発揮するタイプの人もいるけども、自分はそういうタイプではなかった。
当時はそのことすらわかっていなかったかもしれない。とにかく迷走していた印象がある。
自分のあまり華のないキャリアを振り返ってみても、最も沈んでいた時期だと思う。
そんな時期に、知り合いの作家さんが参加している展示を見に行った。展示は今よりよく見に行っていた。
その会場で、その知り合いの作家さんを介してひとりのデザイナーさんと知り合ったのだが、そのデザイナーさんが先日個展でお世話になったマルプデザインのデザイナーさんだった。
塾の授業でデザイナーさんの話を聞くということはあったが、一体一というのかな、同じ立ち位置?立場?でデザイナーさんと話したのはこの時が初めてだったので大変恐縮、というか緊張したので何を話したかはあまり覚えていない。
今でもデザイナーさんと接触するのは緊張する。
ただこのデザイナーさんは、ごまんといる有象無象のイラストレーター志望のひとりである自分に対して、とても丁寧かつ親切だった。そしてあろうことか、自分の絵を見たいとまで仰ってくださった。
なんて好奇心旺盛な人だろうか。
そんなこんなで、自分は初めてデザイン会社に作品ファイルの持ち込みをした。マルプデザインさんに。
当時の自分はマジで何も知らないぼんくらだったので、ファイルもそれはひどいクオリティーだった。自宅にパソコンはもちろんプリンターも無っかたので、最寄りのコンビニで作品をカラーコピーして作ったファイルだった。
にもかかわらず、マルプデザインの皆様は丁寧に見てくれて感想や意見を聞かせて下さった。
代表であるSさんは30分くらい話をして下っさた。
その後自分は、悩んでないでとにかく描こうと奮起した。結果はあまり出なかったけど。
その時のSさんの言葉で「だんだん賞味期限が危なくなってくる」という、心臓を抉られるような言葉があって強く印象に残っている。自分の年齢を鑑みて仰った言葉だが、最近は「もう後がないんだから」と言われる。
的確に自分の急所を狙ってくる感じがして、震える。
つづく
画像は本文とは関係ない、結婚式のときお世話になたスタッフさんをモデルに描いた絵です。
