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砧公園の愛のメモリー

 グループ展まで一ヶ月を切って、いよいよ尻に火が着いています。その為ブログの更新もぐだぐだと遅れています。いやいや、何も無くても遅いじゃないか。その通りです。
 休暇がテーマの絵を休み無く描くという、如何ともし難い矛盾を感じながらも、こつこつ続けているせいでこつこつ作品は出来上がっています。悩みつつ停滞しつつも。最近になって何とかゴールのイメージが見える様になってきました。あとは粛々と手と頭を働かせるだけ。頑張る。

東京に出てきてこの方、あまり有意義に、どうだと発表するに値する休暇の過ごし方をした記憶があまりない。最近のメモリーから抜粋するならば、そうだな、世田谷の砧公園で手弁当を持参して、最寄のコンビにでビールを買い、それらを飲み食いした後ごろごろした、という実に質素なもの。ピクニックと言えば良いのかな。
質素ではあると思うが、自分はわりとこれ好き。
気候がジャストで天気が良ければ実に気持ちが良く、脳みそがからっぽになる。

砧公園は木が多くて広い。ちょっと奥まで歩くと、景色に東京感が無くなる。その景色は、自分が地元に住んでいた時に、バイクで遠乗りした時の景色に通ずるものがある、と思っている。木の幹と枝と葉が重なり合う様子、その重なりによって生まれる緑色のコントラスト、そして緑の隙間から光る白。何も考えないで、ただただその色を見たり感じたりしていると、都会の中に居ながらも、まるで会津西街道という道路を、会津田島から塩原温泉を経由して、那須高原に向かっていく道中の景色を見ているような気持ちになる。それは当時の自分には至福の景色で、脳みそがからっぽになり危うく涎を垂れ流すかのような開放感を覚えた景色だった。その感覚を思い出させてくれる砧公園。すばらしい。
好きです、砧公園。

砧公園

青山で夏

思えば、いわゆる「イラストレーター」としての活動をろくにしていない。
出版社に営業をかけるわけでもなく、各種あるイラストレーションの講座に通うわけでもない。個展等の展示や、あちらこちらで開催されているワークショップに参加もしない。イベント企画にもまざらない。ただただ自宅に引きこもり、ちくちくと絵を描き続けるだけ。こんなことじゃいつまでたってもうだつなど上がるわけがない。
当然です。
 これはヤバイ。マジヤバイいい加減になにかしないと。と思って、巌のように重い腰を上げて来月グループ展に参加します。
東京は青山にある「ダズルギャラリー」にて開催されるグループ展、「バカンス 男の休暇」です。
開期は8/20から8/25までの6日間です。
 
バカンスとは「空白」という意味もあるそうです。つまりは、頭の中をからっぽにして心身ともにとにかく休む、ということでしょうかな。自分としてはそういう解釈で、テーマに沿った作品を 今現在も作成中です。
如何せんそういったお休みとは縁遠い生活を日々送っているので、うまく見る人の頭をからっぽにできるか疑問ではありますが、無い知能をしぼって、あらゆる手を使って、皆様の頭の中をからっぽにしたいと思います。
それができずとも
此度の展示はグループ展。自分の絵でからっぽになれずとも、自分の他に5名のイラストレーターの方々が参加しているので、きっと大丈夫。心強い。皆様、それぞれのおかしみ、おもしろみを含んだ作品を描かれる方々です。

ちなみに、下の絵も展示します。DMにも使用した作品ですが、DMと若干変更しました。からっぽさが足りなかったので。

お近くにお越しの際は、どうぞ宜しくお願い致します。

毘沙門沼

歩道橋で下衆の勘繰り

原宿の駅前には歩道橋がある。車道を跨ぐ為の歩道橋なので、当たり前に地面よりは高いから景色が遠くまで見渡せる。見晴らしが良い。
あるとき、歩道橋の欄干に両肘を乗せて、猫背の姿勢で夕日を眺める様に佇んでいる若い女性を見かけたことがある。
原宿と言えば、明治神宮や代々木公園、そして表参道と何かと人が集まる場所の最寄駅。また、アパレルやらデザイン事務所やらの会社も多く、夕方の駅前は人が沢山歩いている。そんな中で、ひとり歩道橋で立ち止まり夕日を眺めている人は目に付いた。
その人が何を思ってそんなことをしていたかは当然知らない。想像力で以って、なにかしらの物語を投影することは出来るかもしれないけど、そんなものは邪推、大きなお世話だと思う。
わっかたうえで、自分が感じたことを言わせてもらうなら、その人を取り巻く環境で、なにかしらのマイナスの感情を起こさせることが起こったのではなかろうか、という陳腐なこと。へこむわー、みたいな。
さらに言えば、当時自分はまだ上京しておらず、週に一度青山塾に通うべく、高速バスで東京と福島を行ったり来たりしていた。そのせいか東京と地方の違いが今より強く意識にあり、勝手に皆もそうだ、と無意識に決め付けるような思考だった為、欄干の女性も生まれ故郷を思って夕日を眺めている、みたいな事も浮かんだ。いわゆるホームシック、みたいな。

住む街が変われば、当然ながら環境も変わるし関わる人も少なからず変わる、かも知れない。それに慣れるまでは何かと落ち着かないし、ストレスで気が塞ぐことだってある。何も考えてなさそうな猫だって、引越しで体調を崩したりするらしい。自分もどちらかと言うとそういった変化に弱く、ストレスを感じるタイプだ。そんな情報は別にいらんよ。
そういうとき、自分は胸中で、「郷に入っては郷に従え、郷に入っては郷に従え」と、呪文の如く繰り返すのが常になっている。新参はまず、その土地のしきたりに黙って従うのが、物事をスムーズに進行させるコツですよ、という意味だと思って、なにか納得いかないことが起きてもそう言い聞かせることで気持ちを落ち着かせている。何の実績も信用も無い人が、初めから俺が俺が言っててもお前なんか知らんと一蹴されるのはまぁ自然なことだと思うから。

そういう考え方が当たりか外れかはわからないので、参考にしてはいけませんよ。


 

原宿

プロフィール

うえのゆきお

Author:うえのゆきお
 上野幸男
フリーランスイラストレーター
1975年福島県会津若松市生まれ
イラストレーション青山塾10,11期修了
埼玉県在住


Website:https://www.uenoyukio.com
連絡先:0143mugio@gmail.com

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