2枚目

 あちこちでいろんな花が咲き始めて、いよいよ春かなと思わせる雰囲気を感じ取れてなんとなく高揚する。
なんつってたら昨日は真冬の寒さで、関東でも雪が降ったりして驚いた。
今年の東京は花見のタイミングが難しそう。

さて、前回に引き続き先日のグループ展「Black & White part2」で展示した作品を紹介致します。

川上弘美著 「クリスマス」より

 川上弘美さんの著作の短編「クリスマス」を読んで絵にしました。
話のすじとしては
主人公「わたし」が、友人から青空市で購入したという壺を預かる。ふとした時に壺をこすったところ、煙と共に「コスミスミコ」と名乗る女の子があらわれて。。。
というとおとぎ話のようですが、舞台は現代社会のようです。
 熊とピクニックに行くデビュー作「神様」が表題作の短編集に収録されています。
河童や人魚が出てくる他の収録作に比べると、わりと普通な内容に感じました。登場人物が全員いちおう人間だからでしょうか。しかし馴染みすぎて、逆に変な感じもします。
このころの川上弘美さんの作品の自分の印象は、静かに狂っているという感じで、得体の知れないものが登場するんですが、それが当たり前のように、話が淡々と展開していくのがそう感じるんだと思います。
その得体の知れないものとの関係性が、どうなっていくのかが読みどころなのかなと。
もっと言えば、普段の暮らしにおいて、自分以外の生き物は皆何を考えているかわからないとも言えるので、作中に登場する得体の知れなもの達はその比喩なのかもと考えることもできる気がします。
自分以外、他者とのつながりを書いているのかな、と愚考したりしてます。
誤読かもしれませんが。

今回描いた絵では、「日常に混じる違和感」を意識して描いてみました。

1枚目

 前回の記事で申し上げた、先だってのグループ展「Black & White」で展示した作品を紹介致します。

「後藤さんのこと」より

円城 塔 著 「後藤さんのこと」
 
「後藤さん」という何かを解説しつつ、「後藤さん」に対する気持ち、思いを語るように展開していくお話。
「後藤さん」は人間のように描写されているんですが、解説が進むにつれて
人間。。。なのかな?なんなの、どういうこと?という具合に混沌としていき、よくわからなくなっていきます。
一瞬わかった気がしたりしますが、またわからなくなったりします。
わかった部分を抽出するように絵にしてみました。

円城作品の正しい読み解き方を知りたい
そんなものないのかな



マルプデザインさんについて その1

 8年くらい前、と数えて時間の流れに少し恐怖する感じがしたけどそのぐらい前。
イラストレーション青山塾に2年間通って修了、通うのをよした。あとは自分でなんとかしよう、という気持ちで。
よしてわかったのだが、自由に描くというのは難しいなぁ、大変だなぁということ。
塾に通っているときは、先生がなんらかの方向性を示してくれていたし指導もしてくれたので、悩みながらもあまり迷わずに描けていた。
それがなくなると、自分は結構早めに迷いだした。
どこにいってもいいんだけど、行った先に何があるのかわからないという状況。
そういう状況でこそ真価を発揮するタイプの人もいるけども、自分はそういうタイプではなかった。
当時はそのことすらわかっていなかったかもしれない。とにかく迷走していた印象がある。
自分のあまり華のないキャリアを振り返ってみても、最も沈んでいた時期だと思う。

そんな時期に、知り合いの作家さんが参加している展示を見に行った。展示は今よりよく見に行っていた。
その会場で、その知り合いの作家さんを介してひとりのデザイナーさんと知り合ったのだが、そのデザイナーさんが先日個展でお世話になったマルプデザインのデザイナーさんだった。
塾の授業でデザイナーさんの話を聞くということはあったが、一体一というのかな、同じ立ち位置?立場?でデザイナーさんと話したのはこの時が初めてだったので大変恐縮、というか緊張したので何を話したかはあまり覚えていない。
今でもデザイナーさんと接触するのは緊張する。
ただこのデザイナーさんは、ごまんといる有象無象のイラストレーター志望のひとりである自分に対して、とても丁寧かつ親切だった。そしてあろうことか、自分の絵を見たいとまで仰ってくださった。
なんて好奇心旺盛な人だろうか。

そんなこんなで、自分は初めてデザイン会社に作品ファイルの持ち込みをした。マルプデザインさんに。
当時の自分はマジで何も知らないぼんくらだったので、ファイルもそれはひどいクオリティーだった。自宅にパソコンはもちろんプリンターも無っかたので、最寄りのコンビニで作品をカラーコピーして作ったファイルだった。
にもかかわらず、マルプデザインの皆様は丁寧に見てくれて感想や意見を聞かせて下さった。
代表であるSさんは30分くらい話をして下っさた。
その後自分は、悩んでないでとにかく描こうと奮起した。結果はあまり出なかったけど。
その時のSさんの言葉で「だんだん賞味期限が危なくなってくる」という、心臓を抉られるような言葉があって強く印象に残っている。自分の年齢を鑑みて仰った言葉だが、最近は「もう後がないんだから」と言われる。
的確に自分の急所を狙ってくる感じがして、震える。

つづく


画像は本文とは関係ない、結婚式のときお世話になたスタッフさんをモデルに描いた絵です。
14:01

長い雨

雨が続いています。自分が暮らしている東京は、雨が続いています。
秋の長雨というらしいです。
6月、梅雨は梅雨前線。この時期は秋雨前線。
毎年あらわれる前線なんだろうけど、今年は例年よりその存在を感じるような気がします。
毎週のようにやってくる台風のせいもあるようです。
先日ある人が「今月は二日間しか晴れてない」と言っていました。
家の中はじめじめしてるような気がします。
洗濯物もひとっつも乾きません。

いい加減にしろ

そんな、どことなく不快感がある今日この頃。
自分は個展のための制作とアルバイトを黙々としています。
どこにも出かけずに。
知人の作家さんがしている展示にも見に行っていないのは、
申し訳ないと思いつつも、その時間すら制作に使いたいという気持ちが勝ってしまうからで、
そのくらい切羽詰っている感じなのです。
この場を借りてお詫び申し上げます。

そのような状態なので、このブログも放置気味になっているわけなのですが、
多分10月いっぱいはそんな状況が続くと思われます。
ただでさえ遅いのに。

と、さも大変そうな雰囲気を出しましたが、来週はちょっと逃避します。
雨はやだ
雨はやだ


みかがみ

うまく言えない帰郷。古里。元気が出る本。

 先日、故郷である福島県に帰省してきました。
いわゆるお盆期間に。帰省ラッシュの最中に。
レンタカーで。
停滞、という状況が苦手というか嫌いなので、道路が渋滞することが誰でも予想できるこの期間は、
普段なら避けるのだけども今回は事情がありそうもいかなかったのでそうなった。
事情というのは家の事情で、別にここでわざわざ申し上げることでもないので申し上げない。
いつもなら一泊してトンボ帰りのようなスケジュールなのだけど、今回は3泊もしてゆっくりさせて頂きました。
ありがとうございます。
ゆっくりできた故に、上京して以来ほとんど会っていなかった人たちと会えた。お話もできた。
これがよかった。

まずは親戚の方々。
皆さん地元福島で生活している年配の人たち。
会食の席があったのだが、皆さんよく喋り、よく笑っておられた。明るかった。
そして地元にいた頃、よくお世話になった居酒屋の大将。
お店に寄らせて頂いて、久しぶりにお話もゆっくりさせてもらった。
相変わらず活力の溢れる感じ。昔と少しも変わっていなくて嬉しかった。
本当に。

他にもあちこ寄らせてもらったが、見かける人たちは自分が住んでいた頃と変わらない様子だった。
表面上は。
東京にいると、福島に関するいろいろな話を聞いたり見たりする。
明るい話、暗い話、本当の話、嘘の話。
なので、地元で暮らす方々の心境は複雑であるのかもしれない。
複雑な気持ちを抱えながらも、そこで暮らし続けること。
うまく文章にできないが、あえて言うならばいじらしいし愛おしいと思う。
帰ってこれる故郷があって、東京で活動できるのもそこで暮らしている人たちのお陰じゃなかろうか。
そんな方々の力にいつかなれたら、と思い絵を描いてる部分もあるのですよ。

先月、関西在住のヤタヨシヤス氏から、「元気が出る本」の選書依頼というお願いを承った。
聞けば、震災で被災した方々の為に、クリエイターの人たちが選んだ元気が出る本を書店やwebで紹介するという活動を
お一人でやられているとの事。

元気が出る本webサイト http://b-bookstore.net/
        ブログ http://bioodbord.blog103.fc2.com/

自分なんかが選んで良いのかとか、よく自分を見つけたなぁとか、いろいろ頭に浮かんだが、
依頼されたならご協力いたしましょうと思い、恥ずかしながら選ばせて頂いた。
二冊も。

町田康さんの小説「きれぎれ」
http://bioodbord.blog103.fc2.com/blog-entry-2044.html
イラストレーターの大塚いちおさんの作品集「MAGIC」
http://bioodbord.blog103.fc2.com/blog-entry-2045.html

被災した方々の心にプラスの作用がもたらされれば幸いです。
起き上がり小法師の箸置き
これは地元の民芸品、起き上がり小法師をモチーフに作られた箸置き。
小休止できたのでまた絵を描きます。
個展に向かって!明日に向かって!