草が幸せか

 東京は夏のような暑い日が続いている、と書こうと思ったら今日は涼しい。
西の方は梅雨入りしたというニュースを聞いて、時期にこちらもそうなるんだなと、当たり前だけど思う。
湿気が多くて洗濯物も片付かない、どちらかと言えば嫌いな時期なのだが、そうやって季節が巡っていくのが当たり前、いつも通りなことと思っているので安心するところもある。
最近、自分の中の「当たり前」が通じないことが多いような気がするから尚更。
梅雨が過ぎれば夏が来る。
今年の夏は猛暑になるとテレビで見た。猛暑はイヤだけど変わらず夏は来て欲しい。

テレビと言えば
最近テレビを見ていると気が滅入るというか、いやな気待ちになることが多い。
それはなぜかというと、クレーマーみたいな人がよく映るからだと思う。
自分はサービス業、接客業で社会と関わってきた。今もそう。
なのでクレームの対応も少なからず経験がある。
お詫びして話して納得して貰える人はもちろんいるのだけど、全然話しが通じない人がいる。
まじで全っ然通じない人がいる。
客観的に見たら理不尽だなぁという主張を、自分の中のルールによって正当化して鬼の首を獲ったかのように
自信満々で訴えてきてこちらの話しは一切聞かない。通じない。
人間に対して絶望する場面だ。
そんな場面で感じるいやな感覚を、最近テレビを見ているとお手軽に体験できてしまう。
なのでよく絶望している。
いやでいやでしょうがない。

見なきゃいいじゃんで済む話しなのかもしれませんけどね。。。

そんなヘドロみたいな中から希望を見出して明日に向かって生きるぞ!


影絵

3枚目

いろいろと動き回っていたら
いや言うほど何かしてたわけじゃない気もするが、時間が過ぎていた。
窓の外の木は緑の葉っぱが茂っていて、風に揺れている。虫も飛んでいる。

前回の続きの三枚目を紹介します。

町田康 著「きれぎれ」より

町田康さんの「きれぎれ」をテーマにして描きました。
芥川賞受賞作です。
絵描きの「俺」の趣味はランパブ通い。高校を中途で廃し、浪費家で夢見がちな性格のうえ、労働が大嫌い。
金に困り、自分よりも劣る絵なのに認められ成功し、自分が好きな女と結婚している吉原に借りにいってしまうが。。。
(文庫本裏表紙のあらすじより)
偏屈で世間を小馬鹿にしている主人公が、その世間に翻弄されている様は、文体を伴って滑稽に感じますが、
わりと身近な心の動きであると感じてハッとしたりします。
また、執拗かつ淡々とした情景描写から、主人公の心情をも表現しているような文章の味わいや独特のキレは、
小説を読むことの快感を味わえると自分は思います。思っています。(個人の感想)

本文最後の「青空。きれぎれになって腐敗していて」の一文と、作品全体のイメージを加味して、
白と黒が逆転した空を描いてみました。
しかし、町田康さん独特の、落語のようなちょっと脱力したような雰囲気は出せなかったと思いました。
まだまだだな

2枚目

 あちこちでいろんな花が咲き始めて、いよいよ春かなと思わせる雰囲気を感じ取れてなんとなく高揚する。
なんつってたら昨日は真冬の寒さで、関東でも雪が降ったりして驚いた。
今年の東京は花見のタイミングが難しそう。

さて、前回に引き続き先日のグループ展「Black & White part2」で展示した作品を紹介致します。

川上弘美著 「クリスマス」より

 川上弘美さんの著作の短編「クリスマス」を読んで絵にしました。
話のすじとしては
主人公「わたし」が、友人から青空市で購入したという壺を預かる。ふとした時に壺をこすったところ、煙と共に「コスミスミコ」と名乗る女の子があらわれて。。。
というとおとぎ話のようですが、舞台は現代社会のようです。
 熊とピクニックに行くデビュー作「神様」が表題作の短編集に収録されています。
河童や人魚が出てくる他の収録作に比べると、わりと普通な内容に感じました。登場人物が全員いちおう人間だからでしょうか。しかし馴染みすぎて、逆に変な感じもします。
このころの川上弘美さんの作品の自分の印象は、静かに狂っているという感じで、得体の知れないものが登場するんですが、それが当たり前のように、話が淡々と展開していくのがそう感じるんだと思います。
その得体の知れないものとの関係性が、どうなっていくのかが読みどころなのかなと。
もっと言えば、普段の暮らしにおいて、自分以外の生き物は皆何を考えているかわからないとも言えるので、作中に登場する得体の知れなもの達はその比喩なのかもと考えることもできる気がします。
自分以外、他者とのつながりを書いているのかな、と愚考したりしてます。
誤読かもしれませんが。

今回描いた絵では、「日常に混じる違和感」を意識して描いてみました。

1枚目

 前回の記事で申し上げた、先だってのグループ展「Black & White」で展示した作品を紹介致します。

「後藤さんのこと」より

円城 塔 著 「後藤さんのこと」
 
「後藤さん」という何かを解説しつつ、「後藤さん」に対する気持ち、思いを語るように展開していくお話。
「後藤さん」は人間のように描写されているんですが、解説が進むにつれて
人間。。。なのかな?なんなの、どういうこと?という具合に混沌としていき、よくわからなくなっていきます。
一瞬わかった気がしたりしますが、またわからなくなったりします。
わかった部分を抽出するように絵にしてみました。

円城作品の正しい読み解き方を知りたい
そんなものないのかな



マルプデザインさんについて その1

 8年くらい前、と数えて時間の流れに少し恐怖する感じがしたけどそのぐらい前。
イラストレーション青山塾に2年間通って修了、通うのをよした。あとは自分でなんとかしよう、という気持ちで。
よしてわかったのだが、自由に描くというのは難しいなぁ、大変だなぁということ。
塾に通っているときは、先生がなんらかの方向性を示してくれていたし指導もしてくれたので、悩みながらもあまり迷わずに描けていた。
それがなくなると、自分は結構早めに迷いだした。
どこにいってもいいんだけど、行った先に何があるのかわからないという状況。
そういう状況でこそ真価を発揮するタイプの人もいるけども、自分はそういうタイプではなかった。
当時はそのことすらわかっていなかったかもしれない。とにかく迷走していた印象がある。
自分のあまり華のないキャリアを振り返ってみても、最も沈んでいた時期だと思う。

そんな時期に、知り合いの作家さんが参加している展示を見に行った。展示は今よりよく見に行っていた。
その会場で、その知り合いの作家さんを介してひとりのデザイナーさんと知り合ったのだが、そのデザイナーさんが先日個展でお世話になったマルプデザインのデザイナーさんだった。
塾の授業でデザイナーさんの話を聞くということはあったが、一体一というのかな、同じ立ち位置?立場?でデザイナーさんと話したのはこの時が初めてだったので大変恐縮、というか緊張したので何を話したかはあまり覚えていない。
今でもデザイナーさんと接触するのは緊張する。
ただこのデザイナーさんは、ごまんといる有象無象のイラストレーター志望のひとりである自分に対して、とても丁寧かつ親切だった。そしてあろうことか、自分の絵を見たいとまで仰ってくださった。
なんて好奇心旺盛な人だろうか。

そんなこんなで、自分は初めてデザイン会社に作品ファイルの持ち込みをした。マルプデザインさんに。
当時の自分はマジで何も知らないぼんくらだったので、ファイルもそれはひどいクオリティーだった。自宅にパソコンはもちろんプリンターも無っかたので、最寄りのコンビニで作品をカラーコピーして作ったファイルだった。
にもかかわらず、マルプデザインの皆様は丁寧に見てくれて感想や意見を聞かせて下さった。
代表であるSさんは30分くらい話をして下っさた。
その後自分は、悩んでないでとにかく描こうと奮起した。結果はあまり出なかったけど。
その時のSさんの言葉で「だんだん賞味期限が危なくなってくる」という、心臓を抉られるような言葉があって強く印象に残っている。自分の年齢を鑑みて仰った言葉だが、最近は「もう後がないんだから」と言われる。
的確に自分の急所を狙ってくる感じがして、震える。

つづく


画像は本文とは関係ない、結婚式のときお世話になたスタッフさんをモデルに描いた絵です。
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